美術・芸術書、写真集

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夜と朝とをつなぐ、ごくわずかな時間に現れるモノクロームの世界

Noctchrome

著者:渡部さとる
デザイン:井手香菜子(有限会社クロト)
翻訳:Leo H.
発行人:大西洋
出版:Case Publishing
プリンティングディレクション:浦有輝(アイワード)

規格:

230mm×345mm 72ページ 上製本

写真家・渡部さとる氏の写真集です。夜と朝をつなぐわずかな時間「かわたれ時」の屋久島の森を捉えた1冊です。
何も見えない暗闇の中、虫の音が止んで鳥のさえずりが響き始める夜明けの合図。空と森の境界がうっすらと浮かび上がる色を持たない静かな世界をモノクロームで表現しています。視覚の先にある光や音、森の匂いといった気配までをすくい上げたような神秘的な作品です。

販売及び関連サイト
https://www.shashasha.co/jp/book/noctchrome

制作のポイント

本写真集では、人の目が暗闇の中でわずかに感じ取ることができる階調を再現することが大きなテーマになりました。
装幀デザインは、デザイナーの井手香菜子氏が担当され、上製本の表紙にはアートカンブリックという黒のレザークロスを使用し、作品写真を題箋貼りしています。さらに、タイトルには金箔を施し、重厚かつ静かな存在感を放つ一冊です。
また、判型は、作品の比率とのバランスを考慮した横長のB4変型を採用し、1点1点の作品を大きな誌面で鑑賞できる仕様となっています。
作品の印刷は、スミ、ミレニアムブラック、特色アンバー(琥珀色)によるトリプルトーン印刷を採用しました。シャドウ部にスミとミレニアムブラックの2色の諧調を持たせることで、1色では表現できない奥行のある仕上がりとなりました。中間色にアンバーを加え夜明けの色味を表現しています。
また、色の諧調だけではなく、紙面上での「光」をコントロールすることでさらに立体感を高めました。その手法として、マット、グロスの2種類のニスを使い分けています。ハイライト部には、光を拡散させるマットニスを使用しやわらかな効果を、シャドウ部にはグロスニスを乗せることで重さの中のわずかな反射が見る角度によって変化する暗部の奥深さを演出しました。
また、ニスは紙との相性で光沢感が違うため、上質紙や嵩高紙など4種類の用紙でテスト印刷を実施し、最終的に嵩高微塗工紙「スマッシュ」を採用しました。
写真の上に乗せた2種類のニスは、誌面同士の摩擦を抑えて綺麗に保つ役割も兼ねており、深い黒の表現と高品質な仕上がりを両立させています。

活用したソリューション