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句読点
欧文の句読点には、「,(カンマ)」「.(ピリオド)」の他
に、「:(コロン)」「;(セミコロン)」が含まれます。いずれ
も、和文の句読点と同様に、文を読みやすく区切る役割を
持っていますが、特にコロン、セミコロンは、和文での扱い
とは性質が異なるので注意が必要です。
欧文では、カンマ、セミコロン、コロン、ピリオドの順
に、区切りの強度が高くなります。カンマ、ピリオドは前の
文字とベタ組にし、後ろにワードスペースを入れます。な
お、ピリオドは句点の役割を持っているので、後ろのスペー
スを広く取るのではないかと考えてしまうかもしれません
が、スペースは一つで充分です。
疑問符、感嘆符
「?(疑問符)」「!(感嘆符)」も、句読点と同様に、前の文
字とはベタ組にし、後ろにスペースを一つ入れるのを基本と
しますが、これも国によって慣習が異なり、フランス語で
は、前の文字との間にもスペースを入れます。スペイン語で
は、文の始まりと終わりに入れ、最初の方を逆さまにします。
(フランス語) nnn ? nnn !
(スペイン語) ¿nnn? ¡nnn!
クォーテーションマーク (引用符) 、
アポストロフィ
和文のかっこ類と同様に二つで一対という扱いをします。
文中に引用文を挿入する時に使用するものですが、引用文
の中に、さらに引用文があるというような時のために、「‘’
(シングル)」と「“”(ダブル)」という 2 種類のクォーテー
ションマークがあります。シングルとダブルを使用する場合
に、どちらが外側になるのかは、地域によって異なるようで
す。
ちなみに、ドイツやフランスでは、クォーテーションマー
クとして、他の約物を使用します。
パーレン
(かっこ)
、ハイフン
パーレンは、和文のかっこ類と同様に二つで一対という扱
いをします。また、
・パーレンの内側をベタ組にし、外側にスペースを入れる
・パーレンの直後に句読点を入れる場合はベタ組
という点も和文と同様です。
ハイフンの前後もベタ組を基本としますが、スペースの微
調整をすることもあります。
ちなみに、パーレン、ハイフンの天地の位置は、大文字小
文字まじりの文を組んだ時に中心に見えるように作られてい
るので、大文字やライニング数字のみで構成されている文の
中で使用すると、下がって見えてしまいます。この場合は、
ハイフンの位置を上げて調整することもできます。
ダーシ
ダーシには、「–(半角ダーシ/en dash)」「(全角ダー
シ/em dash)」があります。
半角ダーシは、期間や時間、場所を表記する際に「から」
という意味で使用し、前後をベタ組にします。なお、こう
いった表記をする場合に、和文では「~」を使用することが
多いので、欧文でも似たような形の「~(チルダ)」を使用
してしまいそうですが、「~」は数学用記号で「ほぼ等しい」
という意味を持っており、「≒」に相当する記号です。
また、半角ダーシはハイフンと似ていますが、これらは使
い方を間違えると、文の意味合いが変わることがあるので注
意しましょう。例えば、
Brown–Smith theory(半角ダーシを使用)
上記は、「ブラウン氏とスミス氏が唱える説」となりますが、
Brown-Smith theory(ハイフンを使用)
上記は、「ブラウン=スミス氏の説」となります。
Berlin–Baden-Baden(半角ダーシ・ハイフンを使用)
上記は、「ベルリン市とバーデンバーデンの間」となりま
す。「Baden-Baden」は地名であり、これで一つの単語な
ので間に入るのはハイフンです。
電話番号や郵便番号のように、数字を繋ぐ場合にも半角
ダーシを使用しますが、フランス語ではハイフンを使用する
など、国によって違いがあるようです。
この他にも、ダーシは文中で一呼吸の間を置く時にも使い
ますが、全角ダーシを使用する場合は、前後をベタ組にし、
半角ダーシを使用する場合は、前後にスペースを入れます。
なお、書籍のような読み物に使用するのは、全角ダーシが一
般的で、書体によって長さが異なるため、調整して使うこと
もあるようです。
スラッシュ
「/(スラッシュ)」は、「A または B」というように、並列
する二つ以上のものを表記する際に使用します。本文組で
は、スラッシュの前後をベタ組にするのが基本です。
コロン、セミコロンも基本的には、カンマ、ピリオドと同
様に、前をベタ組にし、後ろにスペースを入れますが、フラ
ンス語に限り、前の文字との間を空けて組みます。
(フランス語) nnn : nnn nnn ; nnn
(ドイツ語) »nnn« „nnn“
(フランス語) « nnn » (前後にスペースを入れる)
「’(アポストロフィー)」は、所有格や表記を省略する際に
使用する約物で、シングルクォーテーションマークの右側と
同じものを使用します。なお、アポストロフィーは「(プ
ライムマーク)」と間違えやすいので、注意しましょう。
約物の用法
和文の組版には、欧文から拝借した約物も多く使われているので、欧文の約物の中には、
私たちにとってもなじみ深いものも多くあります。
ですが、和文と欧文では、異なった意味合いで使われるものがあったり、
国によって組み方が異なるものもあるようです。
wold be gained. We could then take for granted
wold be gained. We could then take for granted
isn’t Tom’s
isn't Tom's
(NNN) ➡
(
NNN
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22-33 ➡ 22
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