1 0 4 1 0 5 句読点 欧文の句読点には、「,(カンマ)」「.(ピリオド)」の他 に、「:(コロン)」「;(セミコロン)」が含まれます。いずれ も、和文の句読点と同様に、文を読みやすく区切る役割を 持っていますが、特にコロン、セミコロンは、和文での扱い とは性質が異なるので注意が必要です。 欧文では、カンマ、セミコロン、コロン、ピリオドの順 に、区切りの強度が高くなります。カンマ、ピリオドは前の 文字とベタ組にし、後ろにワードスペースを入れます。な お、ピリオドは句点の役割を持っているので、後ろのスペー スを広く取るのではないかと考えてしまうかもしれません が、スペースは一つで充分です。 疑問符、感嘆符 ?(疑問符)」「!(感嘆符)」も、句読点と同様に、前の文 字とはベタ組にし、後ろにスペースを一つ入れるのを基本と しますが、これも国によって慣習が異なり、フランス語で は、前の文字との間にもスペースを入れます。スペイン語で は、文の始まりと終わりに入れ、最初の方を逆さまにします。 (フランス語) nnn ? nnn ! (スペイン語) ¿nnn? ¡nnn! クォーテーションマーク (引用符) アポストロフィ 和文のかっこ類と同様に二つで一対という扱いをします。 文中に引用文を挿入する時に使用するものですが、引用文 の中に、さらに引用文があるというような時のために、「‘’ (シングル)」と「“”(ダブル)」という 2 種類のクォーテー ションマークがあります。シングルとダブルを使用する場合 に、どちらが外側になるのかは、地域によって異なるようで す。 ちなみに、ドイツやフランスでは、クォーテーションマー クとして、他の約物を使用します。 パーレン (かっこ) 、ハイフン パーレンは、和文のかっこ類と同様に二つで一対という扱 いをします。また、 ・パーレンの内側をベタ組にし、外側にスペースを入れる ・パーレンの直後に句読点を入れる場合はベタ組 という点も和文と同様です。 ハイフンの前後もベタ組を基本としますが、スペースの微 調整をすることもあります。 ちなみに、パーレン、ハイフンの天地の位置は、大文字小 文字まじりの文を組んだ時に中心に見えるように作られてい るので、大文字やライニング数字のみで構成されている文の 中で使用すると、下がって見えてしまいます。この場合は、 ハイフンの位置を上げて調整することもできます。 ダーシ ダーシには、「(半角ダーシ/en dash)」「(全角ダー シ/em dash)」があります。 半角ダーシは、期間や時間、場所を表記する際に「から」 という意味で使用し、前後をベタ組にします。なお、こう いった表記をする場合に、和文では「~」を使用することが 多いので、欧文でも似たような形の「~(チルダ)」を使用 してしまいそうですが、「~」は数学用記号で「ほぼ等しい」 という意味を持っており、「≒」に相当する記号です。 また、半角ダーシはハイフンと似ていますが、これらは使 い方を間違えると、文の意味合いが変わることがあるので注 意しましょう。例えば、 Brown–Smith theory(半角ダーシを使用) 上記は、「ブラウン氏とスミス氏が唱える説」となりますが、 Brown-Smith theory(ハイフンを使用) 上記は、「ブラウン=スミス氏の説」となります。 Berlin–Baden-Baden(半角ダーシ・ハイフンを使用) 上記は、「ベルリン市とバーデンバーデンの間」となりま す。「Baden-Baden」は地名であり、これで一つの単語な ので間に入るのはハイフンです。 電話番号や郵便番号のように、数字を繋ぐ場合にも半角 ダーシを使用しますが、フランス語ではハイフンを使用する など、国によって違いがあるようです。 この他にも、ダーシは文中で一呼吸の間を置く時にも使い ますが、全角ダーシを使用する場合は、前後をベタ組にし、 半角ダーシを使用する場合は、前後にスペースを入れます。 なお、書籍のような読み物に使用するのは、全角ダーシが一 般的で、書体によって長さが異なるため、調整して使うこと もあるようです。 スラッシュ /(スラッシュ)」は、「A または B」というように、並列 する二つ以上のものを表記する際に使用します。本文組で は、スラッシュの前後をベタ組にするのが基本です。 コロン、セミコロンも基本的には、カンマ、ピリオドと同 様に、前をベタ組にし、後ろにスペースを入れますが、フラ ンス語に限り、前の文字との間を空けて組みます。 (フランス語) nnn : nnn nnn ; nnn (ドイツ語)  »nnn« „nnn“ (フランス語) « nnn » (前後にスペースを入れる) (アポストロフィー)」は、所有格や表記を省略する際に 使用する約物で、シングルクォーテーションマークの右側と 同じものを使用します。なお、アポストロフィーは「(プ ライムマーク)」と間違えやすいので、注意しましょう。 約物の用法 和文の組版には、欧文から拝借した約物も多く使われているので、欧文の約物の中には、 私たちにとってもなじみ深いものも多くあります。 ですが、和文と欧文では、異なった意味合いで使われるものがあったり、 国によって組み方が異なるものもあるようです。 wold be gained. We could then take for granted wold be gained. We could then take for granted isn’t Tom’s isn't Tom's (NNN) ( NNN ) 22-33 22 - 33