1 0 2 1 0 3 数の表記のしかた 文中で数を表記する場合には、アルファベットを使って単 語として表記する形が基本となります(特に内容が文学的な ものの場合)。ただし、桁の大きい数は単語として表記する と読みづらいので、数字を使って表記します。これは一つの 目安ですが、3 桁以上の数字は、数字で表記したほうが読み やすいでしょう(新聞などでは、2 桁以上を数字としている 場合もあります)。また、面積や容量、西暦の表記には数字 を使用するのが一般的です。 アラビア数字の用法 欧文のアラビア数字には、オールドスタイルとライニング の二つがあります。オールドスタイル数字は、小文字のアル ファベットになじむように設計された数字で、アルファベッ トと同様に、文字の幅や高さに差があるものです。書籍の組 版はもちろんのこと、格調高い印象のものに使用すると効果 を発揮します。 ライニング数字は、文字の幅や高さがほぼ均一に設計され たものです。数字に重きを置く経営報告書や、表組などで は、数字がきちんと整列して見えるため、こちらの数字を使 用します。 ローマ数字の用法 ローマ数字とは、アルファベットを使って数字を表記する もので、ヨーロッパにアラビア数字が伝わるまで、数字の表 記は、ローマ数字しかありませんでした。 現在は、見やすさ、分かりやすさといった点で、アラビア 数字に軍配が上がったと言っていいほど、ローマ数字が使用 される場面は限定されます。ですが、現在でも伝統的なイ メージや、格調の高さが求められる場面では、ローマ数字が 使われることが多いようです。 数字と単位の表記 数字を使う際に、よく出てくるのは、前後に単位が付くと いうケースです。この場合に、数字と単位の間のスペースの 有無に注意しなくてはなりません。 まず、単位には、「mm」 や「mg」などのようにアル ファベットを使って表記するものと、「%」や「$」などの ように、記号を使って表記するものがあります。この違いに よって、数字と単位の間にアキを入れる必要があるかどうか を、ある程度判断することができます。 アルファベットを使って 表記する単位 アルファベットを使って表記している単位は、省略して表 記しているものです。本来の「mm」 は「millimeter」、 mg」は「milligram」と表記しますが、見やすさ、読みや すさを考慮し、省略しています。 つまり、これらの単位の本来の形は一つの単語として扱え るものなので、省略せずに単語として組む(スペルアウトと 言います)場合には、 one millimeter, one milligram となります。これらは単語間にスペースを入れるのと同様 に、数字と単位の間にはスペースを入れる必要があるのです (なお、単位をスペルアウトする場合には、数字も合わせて スペルアウトします)。したがって、単位を省略して表記し た場合にも、 1 mm, 1 mg というように、数字と単位の間にスペースが必要になります。 記号を使って表記する単位 一方、「%」や「$」なども役割としては、単位を省略し たものですが、完全に別の記号に置き換えられているので、 一つの文字としては認識されません。したがって、多くの場 合は、これらの記号とセットで数字が使われると考えられま すが、その場合には、 1%, $1 というように、数字と単位の間にスペースを入れませんが、 これらをスペルアウトする場合には、やはり one percent, one dollar というように、数字と単位の間にスペースが必要となりま す。なお、例に挙げた「%」は、国によっては「per cent 2 語で表記することもあるので注意してください(アメ リカでは 1 語、イギリスでは 2 語)。 欧文にならった和文の組版 和文の組版でも、数字と単位の間に 4 分アキを入れた り、入れなかったりしますが、実はこれは欧文組版にならっ て取り入れられたルールなのです。 欧文と同様に、和文の組版でも、アルファベットで表記し た単位と数字の間は 4 分アキとし、記号で表記する単位と 数字の間はベタ組にします。 ですが、近年は色々と事情が変わってきており、そもそも 日本がお手本としていた欧米では、アルファベットを用いた 単位と数字の間にスペースを入れない組み方も一般的となっ てきているようです。そのため、「日本語も数字と単位の間 はベタ組で良いのではないか」という意見も聴こえるように なってきています。どういう理由があって、数字と単位の間 を空けたり詰めたりしているのかを押さえておくことは重要 ですが、それと同時に、こういったルールは、時と場合に よって、変化することがあるということも同時に認識してお く必要があります。 欧文における数の表記には、 アルファベットを使って単語として表記する以外に、 アラビア数字 ローマ数字 という 2 つの表記のしかたがあります。 0123456789 オールドスタイル数字 0123456789 ライニング数字 I 1 I 2 I I 3 II I 4 5-1 V V 5 V 6 I V 7 II V 8 III I 9 10-1 X X 10 X 40 50-10 L L 50 X 90 100-10 C C 100 C 400 500-100 D D 500 C 900 1000-100 M M 1000 ローマ数字