0 2 6 INSIDE & BESIDES 〉〉〉版面率 紙面における版面の面積の割合を版面率と言います。一般的な版面率 4560%前後とされますが、近年は版面率が増大傾向にあるという 説もあります。 これは「1 ページの中により多くの情報を掲載したい」という時代背 景による変化とも言えるでしょう。 版面率は視覚的な印象を伴うことも多く、 ・版面率が高い→活気のある印象 ・版面率が低い→落ち着いた上品な印象 となりますが、内容によってはこれに当てはまらない場合もあります。 例えば、写真を大きく配置しても版面率が高いことになります。版面 率が高いので、活気のある印象になるはずですが、その写真が静かな印 象の写真だった場合は、逆に落ち着いた印象が強まるのです。 ノド 1 小口 1.44 1.2 1.728 表情豊かな 版面たち 〉〉〉 ウィリアム・モリスが分析した 美しいマージン 19 世紀にイギリスのデザイナー、ウィリアム・モリスは多くの 美しい書籍を分析した結果、マージンについて、ノド<天<小口< 地の順に広くする、そしてこのときノドのマージンを 1 とする と、天 1.2、小口がその 1.2 倍の 1.44、地はさらにその 1.2 倍の 1.728 とすることを理想としました。また、モリスは 2 ページの 見開きで 1 ユニットと考えました。 ウィリアム・モリス (William Morris, 1834-1896) RICH EXPRESSION!! A6B5B6AB 0 2 7 版面は予め基準線となる枠組みを設けて、計画的にレイアウトを行うためにあります。 さらにページ物のレイアウトでは、個々のページで異なるレイアウトを行っても統一性を保つ役割もあるのです。 〉〉〉余白(マージン) 版面外の余白のことをマージンと言います。 ・版面率が高い→マージンが狭い ・版面率が低い→マージンが広い 印刷用語で紙面上の位置関係を天・地・ノド・小口といった用語で表 し、これらのマージンのとり方によって、紙面に対する版面の位置が決 まります。 マージンのとり方に絶対的なルールはありませんが、版面の位置は通 常、見開き単位で考え、ノドを中心に版面の位置を左右対称にします。 この他に、 見開き単位で考えた場合にノド側を狭くして、左右のページの結び 付きを強くする構成 版面を天地中央に配置すると視覚的には下がって見えるため、版面 を天側に上げる構成 などが一般的に使用されています。 なお、ページ数が多い場合や製本様式によっては本の開きが悪く、ノ ド側がしっかり見えなくなることがあるので、版面を小口側に寄せるこ ともあります。 〉〉〉字詰めと行数から版面を決める 文字を中心としたものの場合は、版面を本文の字詰めと行数で設計し ます(○字詰め×○行詰め)。 こうすることによって、版面の縦横できっちり揃えた文字組みが可能 となり、見出し、図版や表の大きさも「○字分」「○行分」といった幅 を基準にすることができるのです。 ちなみに… 判型も内容によって多く 見られる傾向があります。 ノド 1 小口 1.44 1.2 1.728 ◀ウィリアム・モリスがデザインを手がけた 『ジェフリー・チョーサー著作集』(1896 年) \私のデザインです!/