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INSIDE & BESIDES
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〉〉〉版面率
紙面における版面の面積の割合を版面率と言います。一般的な版面率
は 45~60%前後とされますが、近年は版面率が増大傾向にあるという
説もあります。
これは「1 ページの中により多くの情報を掲載したい」という時代背
景による変化とも言えるでしょう。
版面率は視覚的な印象を伴うことも多く、
・版面率が高い→活気のある印象
・版面率が低い→落ち着いた上品な印象
となりますが、内容によってはこれに当てはまらない場合もあります。
例えば、写真を大きく配置しても版面率が高いことになります。版面
率が高いので、活気のある印象になるはずですが、その写真が静かな印
象の写真だった場合は、逆に落ち着いた印象が強まるのです。
ノド
1
小口
1.44
天
1.2
地
1.728
表情豊かな 版面たち
〉〉〉 ウィリアム・モリスが分析した
美しいマージン
19 世紀にイギリスのデザイナー、ウィリアム・モリスは多くの
美しい書籍を分析した結果、マージンについて、ノド<天<小口<
地の順に広くする、そしてこのときノドのマージンを 1 とする
と、天 1.2、小口がその 1.2 倍の 1.44、地はさらにその 1.2 倍の
1.728 とすることを理想としました。また、モリスは 2 ページの
見開きで 1 ユニットと考えました。
ウィリアム・モリス
(William Morris, 1834-1896)
〈 〈 〈
RICH EXPRESSION!!
〉 〉 〉 文庫本→A6学術書、教科書、男性週刊誌→B5単行本→B6書籍→四六判・菊判女性誌→AB判
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〉 〉 〉
版面は予め基準線となる枠組みを設けて、計画的にレイアウトを行うためにあります。
さらにページ物のレイアウトでは、個々のページで異なるレイアウトを行っても統一性を保つ役割もあるのです。
〉〉〉余白(マージン)
版面外の余白のことをマージンと言います。
・版面率が高い→マージンが狭い
・版面率が低い→マージンが広い
印刷用語で紙面上の位置関係を天・地・ノド・小口といった用語で表
し、これらのマージンのとり方によって、紙面に対する版面の位置が決
まります。
マージンのとり方に絶対的なルールはありませんが、版面の位置は通
常、見開き単位で考え、ノドを中心に版面の位置を左右対称にします。
この他に、
・見開き単位で考えた場合にノド側を狭くして、左右のページの結び
付きを強くする構成
・版面を天地中央に配置すると視覚的には下がって見えるため、版面
を天側に上げる構成
などが一般的に使用されています。
なお、ページ数が多い場合や製本様式によっては本の開きが悪く、ノ
ド側がしっかり見えなくなることがあるので、版面を小口側に寄せるこ
ともあります。
〉〉〉字詰めと行数から版面を決める
文字を中心としたものの場合は、版面を本文の字詰めと行数で設計し
ます(○字詰め×○行詰め)。
こうすることによって、版面の縦横できっちり揃えた文字組みが可能
となり、見出し、図版や表の大きさも「○字分」「○行分」といった幅
を基準にすることができるのです。
ちなみに…
判型も内容によって多く
見られる傾向があります。
ノド
1
小口
1.44
天
1.2
地
1.728
◀ウィリアム・モリスがデザインを手がけた
『ジェフリー・チョーサー著作集』(1896 年)
\私のデザインです!/