色を「赤」「青」といった単純な名前で伝えた場合には、直感的に色が伝わるという利点があります。ですが、「赤」や「青」といっても、それを正確に表現しなければならない場合には、はたしてどの程度の「赤」や「青」なのかが伝わりません。色を名前で伝えた場合のこういった欠点を補うために作られたのが、JIS(日本工業規格)として制定されている系統色名や慣用色名です。系統色名は、色の
3 属性をすべて、言葉に置き換えて表現するシステムで、全部で
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0 種類の色が制定されています。慣用色名は、世界のさまざまな国で習慣的に使われてきた固有色名から厳選されたもので、
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9 種類の色が制定されています。
(ごく)あざやかな(vivid/vv)
明るい(light/lt)
つよい(strong/st)
こい(deep/dp)
うすい(pale/pl)
やわらかい(soft/sf)
くすんだ(dull/dl)
暗い(dark/dk)
ごくうすい(verypale/vp)
明るい みの(lightgrayish/lg)
みの(grayish/mg)
暗い みの(darkgrayish/dg)
ごく暗い(verydark/vd)
灰
灰
灰
赤みの(reddish/r)
黄みの(yellow/y)
緑みの(greenish/g)
青みの(bluish/b)
紫みの(purplish/p)
赤(red/R)
黄赤(yellowred/YRまたは Orange/O)
黄(yellow/Y)
黄緑(yellowgreen/YG)
緑(green/G)
青緑(bluegreen/BG)
青(blue/B)
青紫(purpleblue/PB)
紫(purple/P)
赤紫(redpurple/RP)
赤みの(reddish/r)
黄みを帯びた赤みの(y・r)
黄赤みの(yr)
赤みを帯びた黄みの(r・y)
黄みの(yellow/y)
緑みを帯びた黄みの(g・y)
黄緑みの(yg)
緑みの(greenish/g)
青緑みの(bg)
青みの(bluish/b)
青紫みの(pb)
紫みの(purplish/p)
赤紫みの(rp)
紫みを帯びた赤みの(p・r)
うすい(pale/pl)
明るい(light/lt)
(中位の) (medium/md)
暗い(dark/dk)
※準無彩色とは、わずかに色みのある無彩色のことです。
※無彩色は 「明度に関する修飾語」+「基本色名」で構成されます。
※かっこ付きで記載されている修飾語は省略することができます。
※1 最初に「~みの」がくる場合は、色相に関する修飾語が「~みを帯びた」に変わります。
※2 色相に関する修飾語がつかない場合もあります。
※明度に関する修飾語は 「灰色」のみにつけられます。
白(white/Wt)
灰色(gray/Gy)
黒(brack/Bk)
セピア=ごく暗い+赤みの+黄
アイボリー=黄みの+うすい+灰色
モーブ=つよい+青みの+紫
チャコールグレイ=紫みの+暗い+灰色
ベージュ=明るい みの+赤みを帯びた+黄(※1) 灰
生成り色 (きなりいろ) =赤みを帯びた黄みの+(なし)+白(※)
朽葉色 (くちばいろ) = みの+赤みを帯びた+黄(※1) 灰
ライラック=やわらかい+(なし)+紫(※2)
シルバーグレイ、銀鼠 (ぎんねず) =明るい+灰色
ランプブラック =黒(※)
色の名前で伝える
いろんな
色の伝えかた
色の伝えかたには、
◦ 「赤」「青」というような名前で伝える方法
◦ 3 原色を数値に置き換えて伝える方法
◦ 「色の属性」を使って伝える方法
があります。
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JIS 系統色名を構成する「修飾語」と「基本色名」
有彩色の場合
明度および彩度に関する修飾語(13 種) 色相に関する修飾語(5 種)
基本色名(10 種)
有彩色の例
準無彩色・無彩色の場合
色相に関する修飾語(14 種) 明度に関する修飾語(4 種) 基本色名(3 種)
色みを帯びた無彩色の例 無彩色の例