「箔押し」 右
: 「
ABookCatDictionary 」中西なちお
著、書肆サイコロ、2019年左
: 「化石先生は夢を掘る
忠類ナウマンゾウからサッポロカイギュウまで」木村方一
著、北海道新聞社、2020年
・
加
工
あ
れ
こ
れ
・
表面加工 箔押し記念誌や手帳などの表紙でキラッと光る文字。これは、金や銀の箔フィルムを押し加工しているもので、箔押し加工といいます。箔押しは比較的厚い紙に対して行うことで押した時の凹凸が出て立体感のある仕上がりになります。また、隠ぺい性が高いため紙など下地の色に影響されません。箔押しするための版は、真鍮や亜鉛などを彫刻または腐食させてつくった凸版状の金属版です。紙などの上に箔フィルムを重ねて、
加工
3 100~150度に加熱した金属版を押圧すると凸部分の箔が剥離して紙に転写されます。ここで重要なのが「温度」「圧」「押しのスピード」です。このバランスが少しでも変わると同じ箔材、用紙であっても箔のつき方が変わってしまいます。気温など環境の変化によっても仕上がりが変化してしまうのは、オフセット印刷と似ているところがあります。
箔の硬さにも種類があるなんて
知らなかった
ニ
ャ 金の箔がついてるニャ!よ〜く見ると凹凸があるんだニャそうだねこれは箔押しといって金や銀の箔を凸版状の金属版で押しているんだよ鏡みたいにピカピカで顔が映りそうだニャこちらの本は凹凸の効果がよく出ているね箔フィルムは幅
64 センチのロールを必要な分だけ切り分けながら使っているんだよ
64 cm
紙に箔が転写され、
圧によって凹凸ができる
箔フィルムは転写後、
透明のフィルムのみ残る
100~150℃に加熱した
金属版を押圧
箔押しといえば金箔を連想することが多いですが、青
や赤などのメタリックやホログラムの箔など、色々なバリ
エーションがあります。
実は、色以外にも、箔フィルムには硬さのバリエーショ
ンがあるのです。
箔フィルムは上からベースフィルム・離型層・着色
層・蒸着層・接着層の 5 つの層からできています。熱と
圧で転写すると、上の 2 層(ベースフィルム・離型層)
が剥がれ、下の 3 層(着色層・蒸着層・接着層)が紙
などの被転写物に残る仕組みです。
この上から 2 つ目にある離型層の種類によって「かため
の箔」「やわらかめの箔」に変化します。
これは箔切れ性の違いにつながっていて、「かための
箔」は剥離強度が強いので版との境界部が切れやすく、
きれいに剥離します。逆に「やわらかめの箔」は接着性
はよいですが、細かいデザインだと境界部にバリ
※
が立っ
て、つぶれたように見えてしまいます。
そこで、箔フィルムは箔のデザインや用紙などの材質に
合わせて、「かため」「やわらかめ」など最適な種類の箔
を選びます。もちろん、こういった箔の硬さに加えて押す
時の「温度」「圧」「押しのスピード」によって仕上がり
は違ってきます。
また、ひとつのデザインの中にベタ面の多い部分と細か
い部分があるような場合には、箔材を変え 2 回に分けて
押すこともあります。
箔に 「硬さ 」 の種類がある ?!
ノート アレコレ
室長
の
やわらかい箔
箔フィルム断面
ベタ面の多い
デザイン
かたい箔
細い文字などの
デザイン
布には
布専用の箔
やわらかい箔
超
❶ベースフィルム
❷離型層
❸着色層
❹蒸着層
❺接着層
ココが
「硬さ」を
左右する
※ バリ…輪郭部分に発生するはみ出しや出っ張り